帰属意識が薄れない客先常駐の話

客先常駐という働き方はもうやめにできないか、っていう話が盛り上がっています。

実際自分が体験して、また仲間を現場に送りこむ立場になって思うのは、この働き方は働き手にあまりに負荷をかけるのではないかということです。
IT業界で客先常駐という働き方はもうやめにできないか - あいむあらいぶ

どういう問題があるのかについては、記事に書かれているとおりだと思いますので、元記事を読んでいただければと思います。

そういう問題が起きがちであることは認めつつも、それを解決することにほぼ成功していた会社で働いた経験があるので、この記事では、どういう対策が行われていたかを書いてみようと思います。

客先常駐業務をやっていると基本的には自宅から作業現場へ直行し、また自宅へと直帰するというスタイルとなる以上、自分自身が仕事上自社へはほとんど立ち寄る機会がなくなってきます。こうなると、誰のためにどういう立場で働いているのか、よくわからなくなってくるんですね。
もちろん、こういう事象を防ぐため「一斉帰社日」「全体会議」などと一斉に自社のエンジニアを月ごと、あるいは半年ごとなど定期的に帰社させて、全員で懇親や意識向上のために打ち合わせを行う会社もあるにはありますが、まぁそれでも大体は付け焼刃であり、月1回オフィスに帰社したところで、自社に対する愛着心は向上しないです。
オフィスに戻る日というシステムは、試したのですけど、うまく行かなかったので廃止されて、代わりにこんな対策が打たれていました。

公式飲み会

帰社日にもいろいろあるのですが、オフィスに戻るのではなくて、客先周辺で飲み会をするというのがありました。
ある程度人数がいる客先なら、同じ客先に常駐している自社社員全員、ちいさな客先の場合は、近隣の自社社員があつまって居酒屋でお話をします。
普段客先に来ない、部署の上司も参加します。

「飲みに行く」のではなくて、会社業務としての「飲み会」なので、理由がない限り参加を断れません。
その代わり、参加している時間は残業扱いでお給料が出ます。飲食費用も全額会社負担です。
あと、その場でどんなことを話したか、議事録の提出が義務でした(マジですよ!)

つらいことやしんどいことが起こった際には、自社は心理的に非常に遠くにありますので、自社メンバー(といっても別の客先の別プロジェクトに従事している)に相談するよりは、スマホでリクナビの転職先を探す、ということになってしまいがちです。

 というわけで、一ヶ月か二ヶ月おきくらいですけど、定期的にこの「飲み会」の場があったので、つらいことやしんどいことはこの場で話すことができました。
 たんなる愚痴とかは普通にアルコールで発散することもできたし、そうじゃなくて本当に深刻な問題であった場合も、この場で上司や同僚に相談することができました。
ここで相談した問題に対して、上司からアドバイスを貰えるのはもちろん、お客さん側に問題がありそうなときは、後日改めて上司や営業が対応してくれることは普通に行われていました。

業績発表会

半期に一回、業績発表会というのがありました。
社員が一斉に集まって、自社の業績が今どうなっているかを聞くイベント。
ホテルの会場借りてパーティ形式で。その年の新入社員が芸を披露する的なイベントもあって、お祭りみたいな感じ。
これも業務ですので、理由がない限り参加は義務です。休日出勤扱いになって、後日代休を取ることが認められていました。

部長さんが部署の数字を発表して、黒字だったらみんなで拍手、社長が最終業績を発表して今後の方針を説明、みたいなのも当然あるのですが、それ以外に、優秀社員賞の発表というのがあります。
ドラムロールとともに発表されて、クラシック音楽とともに壇上に上がる受賞者。上司から選出理由が発表されて賞状と金一封が手渡され、受賞者にインタビューが行われ。
最後には、最優秀社員賞の発表が行われてイベントはクライマックスを迎えます。

客先常駐であろうとも、お客さん先でどんなことをしていて、どんな評価を受けているのかが全員に説明されました。
「これこれこんな製品の開発で、当初は下請け扱いだったのですけど、だんだん頭角を現した結果、今季は特に難しいホニャララ機能の開発を一人で任されるようになり、お客様からもその技術力を高く評価していただきました」とかそんな感じで。

これ聞いていると、あー、今の立場だとあんま大したことしてないけど、もうちょっと頑張ったらこの辺まではいけるかもしれない、とか思えるし、頑張って結果出したらああやって壇上でほめてもらえるのだから頑張ろう、という気持ちになれました。

あと、このパーティ、見るからにお金かかってました。ホテルのパーティ会場で美味しい料理が用意されていて、マグロ解体ショーとか、芸能人呼んでくるとか、マッサージ師がたくさん待機していて無料でマッサージを受けられるとか、年によって試行錯誤を繰り返しつつも、どうやったら社員が喜ぶか、毎年真剣に検討が行われているイベントでした。
(おもにこのイベントで音響映像を演出することが任務である、映像制作技術部が社内にありましたw)

このイベントは、「会社が俺らのためにこれだけやってくれるんだから、俺らも頑張らないとね」ということで、つまり帰属意識を高める効果があったように思います。同業他社に転職したらこんなイベントはやってないわけですし、客先に引きぬかれたとしても、たぶんこんなことはやってくれないですよね。

まあ、そうはいっても僕は結局やめちゃったので、帰属意識をどれだけ高めようが、やめる奴は一定数いるというオチになってしまうのですが。僕の場合は、そもそも会社員に向いてなかったという問題ですので、帰属意識とは別の問題です。
すくなくとも、元記事を書かれた方の言われているような、客先派遣した社員が次々やめちゃうとか、モチベーションが上がらないという問題に対しては、ある程度の対策になっていたのではないかなと思います。

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 見積もりがバッチリ合う職場とか、ホウレンソウがうまくいかない問題を解決した職場というのも経験したことがあります。「ラピュタは本当にあったんだ」シリーズということで、もし興味があればご覧くださいませ。
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このページは、 もぎゃが 2015年11月 7日 10:02に書いたブログ記事です。

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