本: 2007年9月アーカイブ

このエピソードを知っただけでも読んだ価値があったかな、と。

カメラ店は飽和状態、売り上げは頭打ちだった。高田は、「客を待っているだけではダメだ」と考えた。店の近くに温泉地があった。高田は毎晩、旅館の宴会場に足を運び、お客さんに話しかけ、笑顔の写真を撮りまくった。宴会が終わると店に戻り、夜通し現像をした。翌朝朝一番に再び旅館へ。できたての写真を販売したのである。写真は飛ぶように売れた。

ジャパネットたかたの社長さんの話の前ふりで出てきた、若いころの話です。ITとは全然関係がありませんが、十分今でも通用しそうな話ですよね。


My Life Between Silicon Valley and Japan - ボナンザVS勝負脳 (保木邦仁、渡辺明共著)で紹介していただいて読んでみたのですが、これはマジでおもしろいです。

2007年3月、コンピュータ将棋プログラム「ボナンザ」が渡辺竜王と平手一番勝負で公開対局を行いました。 この本は、その「ボナンザ」の作者である保木邦仁さんと、渡辺竜王が将棋について語り合った本です。

梅田さんは渡辺竜王の側を強調されていましたが、僕は保木さんが断然おもしろいと思いました。

りっぱな棋譜を残す。どうやらその目的を達することはできたようだ。中盤までは、ボナンザが竜王をリードする場面もあった。渡辺竜王に汗をかかせることもできた。その誘いをいなす場面すらあった。  ただ、あろう事か私は、途中で正確に戦局を読むことができなかった。今、どちらが優勢なのかも定かにはわからなかった。ただ、ボナンザの選んだ指し手を伝えていただけだ。最後に投了を宣言したのは私だが、ほとんど傍観者に過ぎなかった。私は、パソコンの画面と渡辺竜王の顔色ばかりみていた。

これこそが物作りの楽しさではないかと思うのです。自分の作った道具を使えば、自分が形勢を判断することすらできないような相手と互角に戦うことができる。
自分の作った将棋ソフトが、自分にもわからないくらい強い、しかもトップクラスの人間と互角の戦いを繰り広げているというのは、これはもうとんでもなくわくわくする体験なんじゃないでしょうか。

多くの人は、ボナンザを人工知能と呼ぶ。対局を観戦して、ボナンザが「躊躇った」とか、「焦った」「その気になった」などと表現をする人もいた。しかし、そのように見える思考過程は、すべて数式の結果に過ぎない。申し訳ないが、そこには環境が芽生える要素などはない。では、ボナンザは一体、何をどのように考え、指し手を選んでいるのか。そうした点について、私なりの解説を試みてみようと思う。
 この本を読んで、機械学習というのにとても興味を持ちました。機械学習というのは、何か(例えば将棋の指し方)を実装するのに、アルゴリズムそのものを実装するのではなく、過去のデータを与えて、そこから学習するように組まれたシステムを指します。
 普通にアルゴリズムをくんだ場合、その成果物は、作った人の知らないことは実装できないので、作った人自身がシステムの限界になります。これに対して、機械学習のシステムは、作るのも大変だし、学習するデータを用意するのも大変ですが、その代わり、適切なデータを与えてやれば、プログラマが知らないようなことまでもシステムが勝手に学習していきます。結果として、本人がわからないくらい強い将棋ソフトとか、作った人も驚くような返事を返す人工無能を作り出すことができます。
これ、いっぺんやってみようかな。


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